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アルマジロナイフのラコタDays

キー トゥー ザ ハイウェイとフィッシュフックブレスレット

登場人物と背景。
主人公/フィクションの人物かもしれない

クレイジーホース、シッティングブル
/ラコタの英雄

リトルビッグマン、部族警察/
クレイジーホースやシッティングブルを捕らえる立場になる

ゴーストダンス/
インディアンの儀式、辛い時代のラコタにとって最後の希望となるような儀式だった。ウォヴカという人物が始祖。

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パパン!一席お付き合いの程。
散文、キートゥザハイウェイの巻。

時は1878年のある夜の出来事でございます。

数年前我々はカスター将軍に勝利したが、
その後ヒドい仕返しにあっていて全くツイてなかった。
ま、それでも笑いまでは奪えないが…
ラコタは全てをユーモアにする。

苦境を
黒人は怒りに変え
日本人は歯を食いしばり
ラコタは笑っていた。

共通していたのは前を向いていたということだ。

バッファローがいなくなってビーフという生き物をあてがわれていて
幾人かのものはバッファローを強肉、ビーフを弱肉なんて呼んでいたが、
ま、いずれにせよ食べるのだ。
それに案外、うまい。

皆、ユーモアのセンスは忘れてない がリザべーションも重苦しいことは重苦しいし、窮屈なのででかけることにした。

部族警察は暫く前に辞めていた。
別に考えがあってなったわけでもなく、ただ待遇が良かったからなっただけなのでちょっとキツくなったのだ。
考えがないのもそれはそれで厄介だなと思った。

母ちゃんは、「行っておいでよ。若けりゃ付いていきたいくらいだ。でも、きっと帰ってくるんだよ」と言った。

世界は広そうで面白そうだし、なにやら新しいメディスンのあるというテキサスへ行ってみよう。

キーストーンでトレードしたメディスンホイールのついたブレスレットを御守りに着け、
リザべーションで配給された黒い帽子に羽根をさして村を出た。
俺の影はコヨーテになっていた。


途中、部族警察のリトルビッグマンと声を交わした。
チラッと俺の旅の装束と暗闇に映る影を見たが気づかないふりをしてくれた。

彼はクレイジーホースを取り抑えてそしてクレイジーホースは死んでしまった。

俺はクレイジホースやシッティングブルを取り押さえた部族警察を批判する気にはならない。
…悲しいが、それぞれの考えはある…
おれにはその考えすらなかったのが嫌になる。

真っ暗な村を出ると自然と駆け足になった。
冒険がはじまる。

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解説、
今回のフィッシュフックブレスレットはキートゥザハイウェイという作者が今ひとつ判らない放浪を歌った名曲の世界で、
この曲はなんだかインディアンの放浪癖の匂いがするので、
原案はインディアンの若者が作ったのではないか?とまたしても想像を膨らませて楽しく制作しました。
その想像がこの散文になりました。
キー トゥー ザ ハイウェイとフィッシュフックブレスレット_d0144100_11241590.jpeg




# by Armadillo-knife | 2022-05-13 11:28 | バングル

~ ブラッディナイフ ~

好きなアーティストに、ブラッディナイフという人がいる。

今から大体150年位前のアリカラ族のチーフであり、アーティストだった。


レジャーアートの元祖の一人でいくつかの作品が残っています。

どれも素晴らしいのですが、特に、バッファローダンサーを描いた作品が素晴らしい!!!


その他の作品もバッファローダンサーの作品も、彼の作品は、

あの灼熱の砂埃の舞う乾いた大草原をそのまま感じさせてくれるような、

リアルなドキュメントを無声映画で観るかのような、独特の雰囲気を感じます。


ブラッディナイフのアリカラ族は、元々ラコタと敵対していた族なので、

ラコタを共通の敵としていたアメリカ軍のスカウトとして働きました。


なぜ、インディアンがインディアンの味方ではなく、アメリカ軍の味方に?

という疑問とともに、アリカラ族がヒールなイメージになりがちなのですが、

二百をゆうに超える部族がある中で、インディアンというひとことでまとめることが出来る事柄もあれば、出来ない事柄もあるのです。


アリカラとラコタは生活圏などの理由で敵対していました。

白人入植者の時代においても、元々の理由から、ラコタの敵という立場は続きます。


ですので、ラコタを共通の敵とするアメリカ軍と近くなるという、ごくごくシンプルな理由ですから、

アリカラ族がインディアンなのにアメリカ軍に協力したというヒールなイメージを持ってしまうのは的はずれだと思います。


私にとっては、ラコタもアリカラも、とても興味深いワクワクするようなエピソードを持つ憧れのインディアンです。


ブラッディナイフは、リトルビッグホーンの戦いが最期となりました。


バッファローを狩り、アリカラの伝統儀式をして、ティピに暮らし、香草を焚き祈り、作品を楽し気に描き、

また時に、アリカラの知恵を駆使して、足跡を追うブラッディナイフ。


そんな彼のイメージで何か制作したいなあと考えていたら、ピッタリのイメージでキューブビーズが出来ました。


完成した時、これ、ブラッディナイフさんだよな~!と嬉しくなり、

アリカラデイズだよ、とブラッディナイフさんにあげたらきっと喜んでくれるぞ!なんて考えました。


150年前のある夜、

楽し気にバッファローダンサーを描く彼の首元で、無造作に鹿皮に通したキューブビーズが揺れているかもしれない。


なんてことを、またもや楽しく考えて制作しました。


マライカ青山店山で絶賛新発売中!


*着け方の参考に、チェーンをサービスとして付けています。

チェーンは市販のものでハンドメイドではありません。


~ ブラッディナイフ ~_d0144100_19221689.jpg
~ ブラッディナイフ ~_d0144100_19223493.jpg
~ ブラッディナイフ ~_d0144100_19222638.jpg
マライカさんの写真を使わせていただいております。






# by Armadillo-knife | 2021-09-04 20:20 | ペンダント

~ イクトミ ザ スパイダー ~

ラコタでイクトメ(トリックスター)といえば蜘蛛とコヨーテ!

まずはイクトミ(もしくはイクトメ)というラコタ語のご説明から。

①蜘蛛=イクトミ
②トリックスターの総称=イクトミ
として使われます。
なので、コヨーテをイクトミと呼ぶこともあります。

因みにコヨーテはラコタ語でシュグマニトゥ、チカラシュグマニトゥ他があります。

トリックスターは私的には厄介な人気者というイメージがあります。

と言う訳で今回は
イクトミ ザ スパイダー!

ラコタで皆大好きなイクトミ。幾つものイクトミスパイダーやイクトミコヨーテの神話があります。

そんなイクトミが出てくるドリームキーパーというテレビ映画がありましてDVDも日本版で出ています。とても良い映画です。

ただ私はイクトミ好きで
更にこの映画でイクトミズを演じた
ジョントゥルーデルとゲイリーファーマーのファンなので
非常に残念な点として、
日本版はスパイダーとコヨーテのイクトミズが出てくるシーンが全カット…

役者も衣装も脚本も音楽も撮り方も、まさにイクトミ!という最高の出来なのに…

なので私は輸入盤も最近買いました!

私はマニアなのでこう云う書き方になりましたが、
しかし、
映画自体が素晴らしいので日本版でも十二分に楽しめます。オススメ映画です。

さて本題の新しいデザインの
「イクトミ ザ スパイダー」
ペンダント

ちょと前にメディスンホイールを抱えた蜘蛛のペンダントというアイデアを持ちまして、そのまま頭の中にしまっておいたのですが、
リアルな蜘蛛ではなくあくまでもヴィジョンや神話の中のようなイクトミスパイダーがぐにゃぐにゃと動き出し、そろそろ形にしてくれと聞こえた気がしたので
取り掛かってみました。

あくまでもイクトミということで神話のなかでのイメージで抽象的でトリックな感じにしたかったのですが、描いてみたら自然とそうなりました。
まるでイクトミが描かせてくれているみたいでしたよ。

ポイントとしては、
いかにもな感じの巣の描写は避けたかったので、
蜘蛛の脚がすでに蜘蛛の巣にみえるようにして
描かれていない蜘蛛の巣が見えるような感覚にさせたかったことと、

土台は巣の形から離れて、
抽象的で巣と云われれば、そうイメージできないこともない。みたいにしたくて不定形で切り、
そして、
いわゆる蜘蛛の巣の線とはかけ離れた、単なる刻みの線をサイドに入れました。
こうすることによって、リアルな巣からは離れ、
巣とは全然違うのだけど、
抽象的な中に
神話の中の巣のようなイメージを感じさせるようにしたかったのです。

メディスンホイールは通常の感覚だと頭の方に黒、赤が来るようにするのですが、
イクトミなので逆で黄色、白が上にくるようにメディスンホイールを抱いて貰って、
更に、通常、頭が上にくるようにベイル(チェーンを通す金具)を付けるのですが、
イクトミなので逆に
お尻が上にくるように付けます。

そうすると、蜘蛛の巣からお尻の糸を使って、
べローンと逆さに目の前に現れる蜘蛛みたいになるでしょう?
すると!
逆さに抱いたメディスンホイールが正しい位置で見えるというね!
これぞイクトミが魅せてくれるイカした感覚の一つかなと、私個人は思うのです。
制作中はふとイクトミ ザ スパイダーを感じることが多々あった。

インディアンジュエリーの神様ありがとう!


~ イクトミ ザ スパイダー ~_d0144100_20581826.jpg





# by Armadillo-knife | 2021-05-22 21:00 | ペンダント

~ 煤払い ~

年の瀬になったら聞こうと、志ん生師匠の芝浜と志ん朝師匠の文七元結を購入。
どちらも素晴らしかった。
特に志ん生師匠の芝浜は絶品!

今年は普段より仕事納めが早く済んだ。

スタジオもきれいに煤払いできた。

宮沢賢治の「なめとこ山の熊」で、柚木沙弥郎先生が描いたジャケの朗読CDがあったので購入。

ひらたく言うと「なめとこ山の熊」とシャーマンアレクシー著「ローンレンジャーとトント天国で殴り合う」の中に私のラコタでの日々がある。

個人的には、「なめとこ山の熊」を読む前と後では、例えばベアクロウのペンダントひとつにしてみても、理解が変わってくるのではないかな?と個人的には思うのでお薦めしたい。

今年、有り難いことに、グリズリークロウペンダントをいくつか制作させていただいた。
(サイテスなど必要な手続きは全て済ませています。超大変だった。)

どれも重要な作品になったが、

今回、
これまで自分の所にやってきたクロウの中でも印象に残るひとつ、
“曲がった爪”
があったので記しておこうと思う。

それは、曲がっているのである。

曲がっているので商品としての人気はないが、
私の場合は
この曲がった形ゆえに、
余計、この灰色熊に対する想像が膨らみ、彼が生きた山に想いを馳せるのだった。

最後まで悩んだサンダーバードやメディスンホイールは、結果、手を動かせばどんどんハマっていき私の意思をこの灰色熊が引っ張っているようにさえ思えた。

そして完成した後に、
忘れていたポストカードが出てきた。

レイン-イン--フェイスというラコタを好きになった最初の頃に注目した名前の戦士で、

ああ、そうか、と一人ごちた。

写真に写る彼と、灰色熊の爪、シールドにはベアパウとサンダーバード。
このペンダントそのものだった。

このペンダントを完成させてくれたのは、この灰色熊のような気がする。

話は変わるが、アルミの鍋で売っている鍋焼きうどんが美味い。
寒い冬に、うどんで暖まるのも渋いぜ。
馬生師匠のうどん屋なんて聴きながら。

日々、
ジュエリーとインディアンと落語で
廻らんだろうか…
ま、そんなことはあり得ないし、あったら逆につまらないが…

パウワウハイウェイを久々に観たら泣ける。

なんてことをつらつら思いながら、2021年の始まりを待っている。

本年も皆様のおかげでジュエリーを作り続けることができました。

心より感謝いたします。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。





# by Armadillo-knife | 2020-12-30 09:40 | ペンダント

~ ムーンストーン ~

大平原の涼しげな風の流れを感じるような雰囲気で、モードなカッコ良さを携えたビシッとした良い造りのリングを作りたいと思い制作しました。


リングシャンク(土台)部分の太さをパートごとに変えたくて線ではなくて板から切り出して大体のリングの形にしてから成形していきます。
そうすることによって繊細なデザインでありながらを力強さをもった仕上りになりました。

ひねったように見えるパートが横からみると少し立っているような美しいシルエットになっています。

オレンジムーンストーンは完全に私の趣味で、ある日のサウスダコタの夜が明ける前のひんやりな空気のなか見上げる月なんです。

数えられないくらいの月夜がありました。寒い日やうだるような夏の日や寂しげな日や、楽しい日、様々な月をみました。


今日はパールみたいだなとか、今日はオレンジがかって綺麗だなとかね。

懐かしいですね。

~ ムーンストーン ~_d0144100_14063349.jpg

~ ムーンストーン ~_d0144100_14063947.jpg


写真はマライカさんのホームページより







# by Armadillo-knife | 2020-06-20 14:07 | リング

ラコタ族(スー族)インディアン三昧な日々とジュエリー制作記
by Armadillo-knife

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